IT企画職の年収はなぜ高い?「利益率」と「労働生産性」から見る、給与が上がるカラクリ。

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IT企画職の年収はなぜ高い?「利益率」と「労働生産性」から見る、給与が上がるカラクリ。

「あんなに汗水垂らして働いたのに、昇給はたったの数千円か……」

メーカー勤務時代の僕は、毎年春に渡される「給与改定通知書」を見るたび、何とも言えない虚しさに襲われていました。トラブル対応で休日を潰し、工場のラインを止めるまいと奔走し、1円単位のコストダウンに血眼になる。これほどまでに「会社のために」尽くしているのに、銀行口座に振り込まれる金額は、数年前とほとんど変わらない。

「自分の努力が足りないから、給料が上がらないんだ」

本気でそう思っていました。でも、IT業界に転職して、その考えは180度変わりました。転職初年度、僕の年収は150万円上がりました。驚いたのは、**「前職よりも楽をしている感覚があるのに、給料だけが跳ね上がった」**という事実です。

なぜ、IT企画職の年収はこれほどまでに高いのか? そこには、個人の努力ではどうにもならない**「ビジネスモデルの格差」**という残酷なカラクリが隠されていました。


目次

  1. 有形資産(モノ)と無形資産(ソフト)の決定的な違い
  2. 「限界費用」がゼロ。ITビジネスが最強である理由
  3. 【比較表】メーカーとIT、利益率がこれほど違う
  4. 衝撃の体験談:基本給が月12万円アップした日のこと
  5. まとめ:まずは「稼げる構造」の中に自分を置くことから

1. 有形資産(モノ)と無形資産(ソフト)の決定的な違い

メーカー(製造業)とIT企業の給与格差を生んでいる最大の要因は、扱っている「商品」の性質にあります。

メーカーは「作れば作るほど金がかかる」

僕がいたメーカーでは、1つの製品を売るために、必ず「原材料費」「加工費」「物流費」「在庫管理費」がかかっていました。製品を2倍売りたければ、材料も2倍仕入れ、工場の稼働も2倍にし、運ぶトラックも2倍にする必要があります。これを**「変動費」**と言います。

ITは「一度作れば無限に売れる」

一方で、IT企画職が手がける「ソフトウェア」や「Webサービス」はどうでしょうか。一度システムを開発してしまえば、ユーザーが100人でも100万人でも、追加でかかるコストは微々たるものです。

この**「物理的な実体がない(無形資産)」**という特性が、利益の出方に魔法のような差を生み出します。


2. 「限界費用」がゼロ。ITビジネスが最強である理由

経済学の言葉に**「限界費用」**というものがあります。「もう1単位、製品を追加で生産するのにかかるコスト」のことです。

  • メーカーの限界費用: 材料費、部品代、配送費など(ゼロにはならない)。
  • ITビジネスの限界費用: ほぼゼロ(ダウンロードやログインを許可するだけ)。

この「限界費用がほぼゼロ」という構造こそが、IT企業の**「労働生産性」**を異常なまでに高めている正体です。

IT企画職の仕事は、この「一度作れば無限に売れる仕組み(プロダクト)」の価値を最大化することです。仕組みさえ完成すれば、あとは勝手に利益が積み上がっていく。だからこそ、その仕組みを設計する「企画職」には、莫大な報酬を支払う余裕があるのです。


3. 【比較表】メーカーとIT、利益率がこれほど違う

「努力」が報われるかどうかは、その業界の「利益のパイ」がどれだけ大きいかで決まります。僕が転職前に愕然とした、一般的な利益構造の比較を見てみましょう。

項目大手メーカー(製造業)IT・SaaS企業
主なコスト原材料・設備・物流人件費・サーバー代
営業利益率3% 〜 8%20% 〜 40%
1人あたりの付加価値低め(設備に依存)極めて高い(知に依存)
利益の使い道設備の更新・維持優秀な人材への報酬・広告

メーカーの場合、100億円売り上げても、手元に残る利益は3〜8億円程度。そこからさらに次回の設備投資費用を引かなければなりません。社員に分配できる「原資」が最初から少ないのです。

対してIT企業は、100億円売り上げれば20〜40億円が利益として残ります。しかも大きな工場を建てる必要もありません。その利益の多くは、**「次の良いサービスを作るための優秀な人材(=あなた)」**への給与として還元されるのです。


4. 衝撃の体験談:基本給が月12万円アップした日のこと

IT業界に転職して最初の給与明細を見た時の衝撃は、今でも忘れられません。

メーカー時代の僕の給料は、基本給が低く抑えられ、「残業代」や「各種手当」でなんとか食いつないでいる状態でした。しかし、IT企画職として転職した会社では、いきなり基本給が12万円も上がったのです。

「えっ、残業を1時間もしなくても、前の会社の『残業40時間分』より手取りが多い……」

この時、僕は気づきました。僕がメーカーで必死に頑張っていたのは、**「穴の空いたバケツに必死で水を注ぐ」**ような作業だったのだと。

IT業界の給与テーブルが高いのは、僕が優秀だからではありません。「利益が噴き出している井戸」のそばに移動したからです。

「場所」を変えるだけで、評価の「桁」が変わる

もしあなたが今、「自分はこんなに頑張っているのに、なぜ正当に評価されないのか」と悩んでいるなら、それはあなたの能力のせいではなく、**「いる場所の利益率」**のせいです。

35歳。責任ある仕事を任され、実力もついてきた今。その力を「利益率5%」の業界で使い続けるのか、「利益率30%」の業界で解き放つのか。その選択だけで、あなたの生涯賃金は数千万円単位で変わります。


5. まとめ:まずは「稼げる構造」の中に自分を置くことから

「お金がすべてではない」という言葉もあります。しかし、35歳という年齢は、家族の将来や自分自身の老後など、現実的な「お金」の問題から目を背けられない時期でもあります。

IT企画職は、プログラミングができなくても、あなたの「メーカーでの業務経験」や「論理的思考力」を、業界の圧倒的な利益率に乗せて「高単価」に変換できる稀有な職種です。

「自分がIT業界でいくらで売れるのか?」

それを知ることは、決して卑しいことではありません。むしろ、自分の人生に対する誠実な「棚卸し」です。

あなたが今、やるべきこと

まずは、自分の市場価値を「ハイクラスな基準」で測ってみてください。

  • ビズリーチのような、企業から直接スカウトが届くサービスに登録する。
  • 届いたスカウトの「年収提示額」を見て、自分のスキルが他業界でどう評価されるかを確認する。

提示される金額に驚くはずです。「あ、自分ってこんなに価値があったんだ」と気づくことが、今の閉塞感を打破する唯一の鍵になります。

努力が正当に報われる「構造」へ。

あなたが手にするべきなのは、新しい名刺ではなく、自分と家族を守るための「正しい市場価値」です。


次回予告: 一度身につければ一生食いっぱぐれない、IT企画の「ポータブルスキル」について解説します。

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