35歳、大手メーカーの安定は「幻想」だった。僕が「市場を変える」と決意したあの日。
日曜日の夜21時。サザエさんの放送が終わり、明日からの1週間を思って胃がキリキリと痛む……。
「このまま、この会社にあと25年も居続けるのか?」
「10年後の自分は、あの疲れ切った部長のようになりたいのか?」
35歳。世間一般では「中堅」と呼ばれ、脂が乗ってくる時期。でも、僕の心の中は、将来への漠然とした不安でいっぱいでした。
僕は新卒で地方の国立大学を卒業し、誰もが知る「大手メーカー」に就職しました。年功序列、手厚い福利厚生、倒産のリスクがほぼない安定性。親も安心し、周囲からは「勝ち組だね」と言われました。
しかし、その実態は**「ゆっくりと沈みゆく泥舟」**に乗っているような感覚だったのです。
この記事では、35歳で大手メーカーを飛び出し、IT業界への転職で年収を150万円アップさせた僕の体験をもとに、なぜ今、あなたが感じている「違和感」が正しいのか、そしてどう動くべきなのかを本音でお伝えします。
目次
- 「安定」という名の停滞。35歳で突きつけられた現実
- 「努力」だけではどうにもならない。「市場」という残酷なルール
- 僕が転職を決意した「決定的な瞬間」
- データが証明する:製造業とIT業界の「圧倒的な差」
- まとめ:まずは「自分の市場価値」を客観視することから始めよう
1. 「安定」という名の停滞。35歳で突きつけられた現実
35歳という年齢は、多くの会社員にとって**「自分の未来の天井」**が見えてしまう時期ではないでしょうか。
僕がいたメーカーは、典型的な年功序列の組織でした。
どれだけ効率的に仕事をこなし、新しい提案をしても、評価は「横並び」。給料は1年で数千円しか上がらず、昇進の順番は「入社年次」でガチガチに決まっていました。
上が詰まった組織での絶望感
ふと周りを見渡せば、40代、50代の先輩たちが、かつての輝きを失い、いかに波風を立てずに定年まで逃げ切るかだけを考えて仕事をしている……。そんな姿が目に入ります。
- 意思決定の遅さ: 1つのハンコをもらうために何週間もかかる。
- スキルアップの欠如: 社内でしか通用しない「社内政治」や「独自の調整術」ばかりが身につく。
- 若手の流出: 優秀な後輩から順に、外資やITベンチャーへと転職していく。
「自分はこのまま、この場所で腐っていくのか?」
その恐怖は、日を追うごとに強くなっていきました。
2. 「努力」だけではどうにもならない。「市場」という残酷なルール
多くの真面目な会社員は、「今の場所で結果を出せば道は開ける」と信じて疑いません。かつての僕もそうでした。毎日22時まで残業し、誰よりも資料を作り込み、社内調整に奔走しました。
しかし、ある時気づいたのです。「個人の努力」よりも「どの市場にいるか」の方が、キャリアにおいては遥かに重要であるという事実に。
努力の「レバレッジ」が効かない場所
例えば、下り坂のエスカレーターで一生懸命上に走っても、その場に留まるのが精一杯です。逆に、上り坂のエスカレーターに乗れば、少し歩くだけで驚くほどのスピードで高みに到達できます。
今の日本において、「伝統的な製造業」は残念ながら下り、あるいは停滞するエスカレーターです。一方で、「IT・デジタル領域」は猛烈な勢いで上昇するエスカレーターです。
同じ「35歳、営業職」であっても、市場が変わるだけで、年収も、求められるスキルも、そして10年後の生存率も劇的に変わります。
3. 僕が転職を決意した「決定的な瞬間」
僕が「あ、もうここにはいられない」と確信したのは、ある給与明細を見た瞬間でした。
当時、僕は大きなプロジェクトを成功させ、社内表彰も受けました。誇らしい気持ちで開いたその月の給与明細。期待していた「成果への報酬」は、わずか数千円のインセンティブだけでした。
一方で、10歳年上の、ほとんど仕事をしていない(ように見える)窓際族の課長代理は、僕の1.5倍の給料をもらっています。
「僕が今、必死に削っている時間は、このおじさんたちの給料を維持するために使われているのか?」
そう思った瞬間、プツンと何かが切れました。
自分の人生という限られたリソースを、成長しない市場、そして評価されない環境に投下し続けることこそが、最大の「リスク」だと気づいたのです。
4. データが証明する:製造業とIT業界の「圧倒的な差」
感情論だけではなく、客観的なデータも僕の背中を押しました。
以下の表は、一般的な製造業とIT業界の現状を比較したものです。
| 項目 | 大手メーカー(製造業) | IT・デジタル業界 |
| 市場成長率 | 成熟・緩やかな衰退 | 右肩上がり(DX需要の爆発) |
| 給与体系 | 年功序列・一律 | 成果・スキルベース |
| 働き方 | 出社前提・固定時間 | リモート可・柔軟 |
| 人材不足感 | 若手不足 | 全世代で圧倒的に不足 |
| 市場価値の向上 | 社内スキルが中心 | ポータブルスキルが身につく |
経済産業省のデータ(IT人材需給に関する調査)によると、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されています。
これは何を意味するか?
「需要が供給を大幅に上回っている市場」に行けば、自分自身の価値が相対的に高く見積もられるということです。
35歳は、まだ間に合います。むしろ、メーカーで培った「泥臭い現場力」や「プロジェクト管理能力」をIT業界のスピード感と掛け合わせることで、希少価値の高い人材になれるチャンスなのです。
5. まとめ:まずは「自分の市場価値」を客観視することから始めよう
「今の会社に不満はあるけれど、転職なんて自分にできるだろうか……」
「35歳から未経験の業界に行くのは無謀じゃないか?」
そう思う気持ちは痛いほどわかります。僕も、転職サイトに登録するまで半年以上、悩んで足踏みしていました。
でも、確信を持って言えるのは、「外の世界を知らないこと」こそが最大のリスクだということです。
今の会社での評価が、あなたの「人間としての価値」ではありません。それは単に、その狭い村の中での「村の評価」に過ぎないのです。一歩外に出れば、あなたの経験を喉から手が出るほど欲しがっている企業は山ほどあります。
最初のステップは「今の自分」を査定すること
いきなり辞表を書く必要はありません。まずは、自分が市場でどう見られているのかを「知る」だけでいいのです。
僕がまずやったのは、ビズリーチのようなハイクラス向けエージェントに登録することでした。
自分の経歴を入力し、ヘッドハンターや企業から届く「スカウト」を眺める。それだけで、「あ、自分って意外と需要があるんだ」「このスキルを活かせば年収が上がるんだ」と視界が開けていきます。
「今の会社しかない」という思い込みから解放されると、驚くほど心が軽くなりますよ。
もしあなたが、日曜日の夜に憂鬱を感じているのなら。
もしあなたが、10年後の上司の姿に絶望しているのなら。
まずはエージェントに登録して、自分の「市場価値」を確かめてみてください。そこから、あなたの新しい人生が始まります。
次回予告:なぜ努力しても報われないのか?その正体である「業界による構造的な格差」について解説します。

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